GREETING

理事長
山本 哲也
高知大学医学部附属病院歯科口腔外科科長

2021年5月、一般社団法人全国医学部附属病院歯科口腔外科科長会議の第8代理事長を拝命することとなりました。
本会議は1969年に14大学が参加して発足し、2019年4月には一般社団法人格を取得して、現在では65大学が参加する50有余年の歴史を持つ団体です。
歴史ある本会議を預かることとなり大変光栄に存じますが、同時に重責を感じております。
本会議設立当初の目的は、標榜科名「歯科口腔外科」の実現と各大学医学部に歯科口腔外科学講座を設置することでありました。

私が本会議に初めて参加したのは2005年春でしたが、歯科口腔外科は当たり前のように用いられ、また、ほとんどの大学では歯科口腔外科学講座は設置されており、当初の目的は達成されていました。
その頃の本会議では、歯科医師卒後臨床研修や歯科医師の医科麻酔研修などについての情報提供や意見交換がなされていました。
その後、「全国医学部附属病院歯科口腔外科の現状」が定期刊行されるようになり、他の医学部附属病院歯科口腔外科のデータを自らの組織の発展に活用できるようになりました。

さらに、周術期口腔機能管理を協力に推進された本会議の第4代会長丹沢秀樹千葉大学名誉教授からはそれに関する情報を提供して頂くなど、
本会議は様々な情報を共有することにより全国医学部附属病院歯科口腔外科の発展に寄与してきたと確信しています。
歯科口腔外科、特に歯学部・歯科大学のない県における医学部の歯科口腔外科は「ミニ歯学部」といっても過言ではなく、歯科口腔外科に関する診療全てのことを1科でやらなければならず、 また、医学部内での他科との連携や医学教育、さらには、歯科医師会や行政との連携も求められます。

しかしながら、医学部内では歯学部や歯科大学と違って歯科(口腔外科)に関する情報は入って来づらく、
本会議はその情報源としての役割を果たしており、医学部附属病院歯科口腔外科にとっての必要性は益々増加しているものと思われます。

これからの本会議の役割は、会員間のネットワークの構築や情報交換の場としての役割だけではなく、
政府に対する政策提言や歯科口腔外科関しての世論啓発などこれまでと違った活動も視野に入れて展開していかなければならないと思います。
最近では、歯科におけるSARS-CoV-2感染のアンケート調査や歯科におけるPCR検査の状況調査を行うなど、必要な情報収集にも迅速に対応できています。
これらは長らく事務局を務めて下さっている信州大学の栗田浩教授のお力添えのおかげであります。

今後、本会議の発展のために、非力ながら全力を傾けて取り組んでゆく所存でございますので、皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

2021年5月吉日

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